キーポイント
- Glassnodeの最新分析によると、ビットコインは10万ドル以上のポジションを維持し、長期保有者はその勢いに乗じて、1日あたり21億ドルという前例のない利益を実現し、実現利益の過去最高を記録した。
- 大幅な利益確定売りにもかかわらず、市場の回復力は依然として強く、現在のサイクルではドローダウンは32%に抑えられている。
市場の成熟はビットコインの新時代を告げる
グラスノードの2024年最終レポートによると、ビットコインの強気相場はこれまでのサイクルと顕著な類似性を示しており、年初来のリターンは150%を超えている。しかし、このサイクルを際立たせているのは、著しく大きな市場規模で運用されているにもかかわらず、安定性を維持していることである。現在のサイクルは638%の利益を上げており、過去のサイクルの501%(2015-2018年)、1,085%(2018-2022年)と比べても遜色ない。最も注目すべきは、運用規模が拡大したにもかかわらず、ドローダウンの深刻さが軽減され、市場がかつてない回復力を示したことである。
記録的な利益確定売りと旺盛な需要
Glassnodeのデータによると、ビットコインが心理的な障壁である10万ドルを超えて取引される中、長期保有者(LTH)は前例のない水準で保有資産を分配する機会を捉えている。市場は実現利益で過去最高を更新し、1日あたり21億ドルに達した。興味深いことに、この売り圧力の大半は過去6~12カ月以内にポジションを取得したホルダーによるもので、実現利益全体の38.5%を占めている。一方、ビットコインを3年以上保有している投資家は比較的不活発なままであり、さらなる高値を待っている可能性を示唆している。
富のダイナミクスの変化が市場の進化を告げる
Glassnodeの分析から浮かび上がってくる注目すべき傾向は、新規投資家が保有する資産が大幅に増加していることで、現在の価格水準でも市場の需要が強いことを示している。このような長期保有者から新規市場参加者への富の移転は、通常、強気相場の後期を特徴づける。しかし、新規投資家が保有する富の割合は、以前のサイクルのピーク時に見られた陶酔的なレベルにはまだ達しておらず、市場のさらなる成長余地の可能性を示唆している。
市場指標、特に平均含み益を測定するAVIVレシオの分析は、市場がピークに達していない可能性を示している。この指標は、一般的に市場の頂点に関連する極端な水準にまだ達しておらず、現在の利益水準が大半の保有者にとって抗しがたい水準に達していないことを示唆している。
新規投資家による着実な蓄積と長期保有者による慎重な分配というこのパターンは、以前のサイクルの不安定な変動を超えて進化した成熟市場の姿を描いている。機関投資家の存在とスポットETFの影響は安定化効果をもたらし、暗号通貨市場のより持続的な成長軌道の舞台を整える可能性があると、グラスノードのレポートは結論付けている。