キーポイント
- トゥルース・ターミナルの創設者アンディ・エイリー氏のXアカウントがSIMスワップ攻撃の疑いでハッキングされ、一時2500万ドルの時価総額に達した後、暴落した詐欺トークンの宣伝につながった。
- AIチャットボットのトゥルース・ターミナルは、成功したGOATミームコイン(ピーク時の価値は9億4000万ドル)との関連で知られ、マーク・アンドリーセンから5万ドルを受け取っている。 暗号通貨
アカウント侵害と詐欺トークンの発表
2024年10月29日未明(UTC午前1時50分)、アンディ・エイリー氏のXアカウントが、Infinite Backrooms(IB)と呼ばれる新しい暗号通貨を宣伝するためにプラットフォームを悪用したハッカーの被害にあった。この攻撃は、後にAyreyがSIMスワップ攻撃を示唆する彼の携帯電話会社のソーシャルエンジニアリングによるもので、彼のフォロワーにIBトークンを不正に宣伝する結果となった。
この詐欺はすぐに効果を発揮し、発表直後にトークンの時価総額は2500万ドル以上に急騰した。犯人は当初、発売時に3万8400ドルで1億2460万IBトークンを取得していたが、45分以内に全保有分を売却するという迅速な出口戦略を実行し、約60万2500ドルの利益を確保した(Descreenerによる)。その後の売却により、トークンの価値は98%急落し、時価総額は50万ドルにまで落ち込んだ。
トゥルース・ターミナルの台頭
トゥルース・ターミナルは、特に「GOAT」(Goatseus Maximus)ミメコインとの提携をきっかけに、暗号通貨分野で注目すべきプレーヤーとして台頭してきた。AIボットがGOATを作ったわけではないが、その支持はトークンを9億4000万ドルという驚くべきピーク評価額まで押し上げるのに貢献した。現在、GOATは、10月24日の史上最高値から32%下落したにもかかわらず、6億3700万ドルの実質的な時価総額を維持している。
このAIチャットボットが注目されるようになったのは、AyreyがMetaのLlama 3.1大規模言語モデルのカスタムバージョンとして開発したときからで、当初は「他のLLMのジェイルブレイクを自動化する」ために設計された。このプロジェクトは7月、ベンチャーキャピタリストのマーク・アンドリーセンがX上でのやりとりの後、5万ドル相当のビットコインを付与し、大きな注目を集めた。
継続的な影響とセキュリティ上の懸念
この事件は、人工知能と暗号通貨が交わりつつあること、そしてこの分野の著名人に影響を与えうるセキュリティの脆弱性を浮き彫りにしている。報道された時点では、AyreyのXアカウントは侵害されたままであり、ハッカーは新しいmemecoinsに関する投稿を公開し、Telegramグループへのリンクを共有し続けているようだ。
トゥルース・ターミナルの成功は、暗号通貨取引やソーシャルメディアへの関与に特化した同様の自律型・半自律型AIエージェントの創造を刺激し、暗号空間のトレンドに火をつけた。今回のハッキングは、AIと暗号通貨が融合し、相互の結びつきが強まるデジタル環境における強固なセキュリティ対策の重要性についての警鐘となっている。