概要

韓国の戒厳令宣言が暗号市場の混乱を引き起こす

キーポイント

  • 韓国の尹錫烈(ユン・ソクヨル)大統領は12月3日、北朝鮮からの脅威と「反国家分子」の排除の必要性を理由に、1980年以来となる緊急戒厳令を発令した。
  • この発表は市場に大きな動揺を引き起こし、ビットコインは韓国の取引所で30%下落した後、部分的に回復し、他の暗号通貨は2桁の下落を経験した。

大統領宣言と政治的緊張

韓国の尹錫烈(ユン・ソクヨル)大統領は現地時間の火曜日夜10時30分ごろ、テレビ演説を通じて緊急戒厳令を宣言した。大統領はこの措置を、「北朝鮮の共産主義勢力による脅威から自由主義的な韓国を守り、反国家的要素を排除する」ために必要であると正当化し、公共の安全と国家の持続可能性を確保するための「避けられない措置」であると説明した。

民主党の李在明(イ・ジェミョン)党首は、国会への軍事介入の可能性について深刻な懸念を表明した。李氏は特に、軍隊が韓国の国会議員を逮捕する可能性について警告を発し、同時に党が尹氏の命令に異議を唱えようとすることを示唆した。

暗号通貨市場への影響

戒厳令の発表は韓国の暗号通貨市場に衝撃を与え、主要取引所全体で大幅な価格変動を引き起こした。韓国最大の暗号取引所であるUpbitでは、Bitcoinが約30%の劇的な急落を経験し、約1億3,000万ウォンから9,360万ウォンまで下落した後、約1億2,600万ウォンまで反発した。

市場の動揺はビットコインに限ったことではなく、他の暗号通貨もかなりの売り圧力に直面した。リップルXRP、柴犬、Dogecoinを含む人気のアルトコインはすべて2桁の損失を記録した。取引所の時価総額上位30トークンを追跡するUpbit MarketIndexは、この1日で13.28%の下落を記録した。

技術的混乱と市場のストレス

市場のボラティリティは、主要な取引プラットフォームに技術的な課題をもたらした。Upbitのモバイル取引アプリがアクセス不能になったのは、トレーダーが事態への対応を急いだため、ユーザートラフィックが圧倒的に急増したためと思われる。典型的な安定コインであるテザーUSDTは、韓国の取引所で一時的にペッグを失い、約1,200韓国ウォン(約84セント)まで下落し、宣言後の市場のストレスの大きさを浮き彫りにした。

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