キーポイント
- ディック・ダービン率いる上院民主党は、ビットコインATMの大手10社に対し、アメリカの高齢者を狙った詐欺に対して早急に対策を講じるよう迫っている。
- 連邦取引委員会のデータによると、ビットコインATM関連の詐欺被害は2020年から2023年にかけて10倍に増加し、特に高齢者が被害に遭いやすいという。
上院委員会が暗号通貨詐欺への対策を要請
上院司法委員会委員長のディック・ダービン上院院内幹事(民主党)は、米国の高齢者を狙った暗号通貨詐欺の増加に対抗する取り組みの先頭に立った。他の6人の上院民主党議員とともに、ダービン氏はビットコインATM(BTM)大手10社に緊急の呼びかけを行い、脆弱な高齢者を悪用する詐欺行為に対して断固とした行動を取るよう促した。
この書簡は、リチャード・ブルメンタール上院議員(D-CT)、ジャック・リード上院議員(D-RI)、ティナ・スミス上院議員(D-MN)、エリザベス・ウォーレン上院議員(D-MA)、ピーター・ウェルチ上院議員(D-VT)、シェルドン・ホワイトハウス上院議員(D-RI)が署名し、Athena Bitcoin、Bitcoin Depot、Bitstop、Byte Federal、Cash2Bitcoin、CoinFlip、Coinhub、Margo、RockItCoin、Unbankなどの著名なBTM企業に送られた。
ビットコインATM詐欺の驚くべき増加
上院議員の懸念は根拠のないものではない。連邦取引委員会が発表した最近のデータは、この問題が急速に拡大していることを物語っている。2020年から2023年の間に、消費者が報告したBTM関連の詐欺による被害額は、1200万ドルから1億1400万ドルへと急増し、ほぼ10倍になっている。2023年の上半期だけでも、被害者はこれらの詐欺によって6,500万ドルを失っている。
さらに懸念されるのは、高齢のアメリカ人への不釣り合いな影響である。データによると、60歳以上の高齢者は、若年層と比較して、BTM詐欺による損失を報告する可能性が3倍以上高いことが明らかになっている。
暗号通貨詐欺師の手口
上院議員の書簡は、このような詐欺の典型的な展開の例を数多く挙げている。犯罪者はしばしば高齢者に接触し、脅しや脅迫の手口を使って、地元のビットコインATMから詐欺師の暗号ウォレットに大金を入金するよう強要する。
イリノイ州スプリングフィールドでは、ある中小企業の経営者が、高齢者が自分の店のコインハブBTMを繰り返し使い、詐欺師の指示で多額の金を入金していると報告した。同様の事件は、テキサス州からカリフォルニア州まで、全米で発生している。
即時の行動と情報の呼びかけ
このような状況に介入しようとする善良なサマリア人の努力を認めつつも、上院議員は、このことはBTMオペレーターが詐欺を防止する責任を免れるものではないことを強調している。
書簡は、これらの企業がこの問題に対処するためにどのような行動をとっているかを理解することを目的とした一連の鋭い質問で締めくくられている。上院議員は2024年10月4日までに詳細な回答を求め、必要であれば法案の可能性も検討する意向を示している。
暗号通貨が金融界で注目を集め続ける中、上院民主党によるこの推進は、巧妙なデジタル時代の詐欺から脆弱な消費者を守るための強固な保護措置の緊急の必要性を強調している。