キーポイント
- ブリッジウォーター・アソシエイツの創設者であるレイ・ダリオは、持続不可能な世界の債務水準と潜在的な通貨危機を理由に、債務資産よりも金やビットコインのような「ハードマネー」への投資を提唱している。
- 投資家が経済の不確実性や地政学的緊張に対するヘッジを求める中、ビットコインは初めて10万ドルを突破し、金は過去最高値付近で取引されている。
世界的な債務危機の到来、ヘッジファンドのパイオニアが警告
サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙によると、世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創設者である億万長者投資家のレイ・ダリオ氏が、アブダビ・ファイナンス・ウィークでの講演で、差し迫った債務危機について厳しい警告を発した。火曜日、ダリオ氏は、ドイツを例外とする主要国の債務が前例のないレベルに達していることを強調した。ダリオ氏は、こうした債務レベルは持続不可能であることが判明し、通貨価値の大幅な下落につながると予測した。
セーフヘイブンとしての「ハードマネー
こうした経済的課題に対して、ダリオは債券のような伝統的な負債資産から手を引くことを推奨し、代わりに金やビットコインのような「ハードマネー」への投資を提唱した。ビットコインが先週10万ドルの壁を突破したのを筆頭に、両資産が過去最高値付近で取引されるなか、ダリオ氏の支持は得られている。暗号通貨価格の高騰は、ドナルド・トランプ次期米大統領がデジタル資産に前向きな姿勢を示していることも一因となっている。
未来を形作る5つの力
ダリオ氏は、債務、マネー、経済、貧富の格差に影響される国内政治秩序、米中の緊張を中心とする地政学的な外部秩序、気候変動やパンデミックを含む自然現象、そして技術革新という5つの主要な力が世界の発展を牽引すると考えている。後者については、製品の販売だけに焦点を当てた企業よりも、破壊的なテクノロジーを活用して事業を強化する企業に投資することを好むと表明した。
ダリオ氏は、2022年10月にブリッジウォーターの様々な指導的地位から退き、最終的に経営から退いた後、同社の投資戦略におけるアドバイザリーの役割を維持している。最近アブダビにファミリー・オフィスの支店を設立したのは、湾岸協力会議地域が新たな投資ハブとして注目されていることへのダリオの前向きな見通しを反映したものだ。