キーポイント
- MicroStrategyのマイケル・セイラー氏は、マイクロソフトの取締役会に大胆な売り込みを行い、ハイテク大手のキャッシュフロー、配当、自社株買い、負債をビットコインに変えることで、2034年までに企業価値を4.9兆ドル増加させることができると主張した。
- セイラー氏は、マイクロソフトは年間1000億ドルをビットコインに投資すべきだと提案し、特にビットコインの価格が10万ドルに近づいている今、自社株買いや債券保有よりも優れた戦略だと主張した。
ピッチ
MicroStrategyの共同設立者であるマイケル・セイラー氏は、44枚のスライドからなる3分間の簡潔なプレゼンテーションで、マイクロソフトのサティア・ナデラCEOと同社の取締役会に対して自らの主張を展開した。ビットコインは21世紀で最も重要なデジタルトランスフォーメーションを象徴しており、マイクロソフトはこのテクノロジーの波に乗り遅れるわけにはいかない。
「ビットコインはデジタル資本の象徴です」とセイラー氏は強調し、マイクロソフトがビットコインを全面的に採用すれば、2034年までに株価を1株当たり584ドル上昇させる可能性があることを示唆した。この予測は、ビットコインがその時までに1コインあたり170万ドルに達すると仮定している。
戦略と数字
セイラー氏が提案する戦略では、マイクロソフトは国庫、負債、キャッシュフロー、配当支払い、自社株買いの資金をビットコインに振り向ける。同氏は、自社株買いや債券保有という現在のやり方は「過去5年間で数千億ドルの資本を放棄」し、株主リスクを増幅させていると主張した。
セイラー氏の売り込みのタイミングは、ビットコインが2023年に120%急騰し、過去1ヶ月だけで40%上昇した驚くべきパフォーマンスと重なる。暗号通貨の価格は10万ドルの大台に近づいており、セイラーがデジタル資産に見出している可能性を示している。
MicroStrategyのビットコイン成功事例
このような大胆な提言を行うセイラー氏の信頼性は、MicroStrategy社自身がビットコイン投資で成功を収めていることに起因する。TokenTimes AIが報じたように、2020年以降、同社は38万6700BTCを蓄積しており、現在の市場価格でおよそ377億ドルの価値がある。直近では先月、55,500BTCを取得した。この戦略はMicroStrategyにとって成功であり、同社の株価は年初来で465%上昇し、最近ではドットコム時代の史上最高値を更新した。
この提案は、セイラー氏が「暗号ルネッサンス」を観測している時期に行われた。政治家による暗号推進発言や、ウォール街の大手企業によるビットコイン投資商品の発売など、ビットコインに対する世論と政治的支援の高まりを挙げている。