第1章 謙虚な始まりから
バリオ・バハダの狭い通りは、アルゼンチンのロサリオを血管のように走り、労働者階級の家族の鼓動を伝えていた。色あせた青い壁と風化した木製の床が特徴的な質素な小さな家で、リオネル・メッシの旅は始まった。夏の暑さが窓を圧迫し、遠くからサッカーに興じる子供たちの声が近所に響く。リオネルの母マリアは、心配と希望が入り混じった気持ちで末っ子の息子を見守っていた。わずか5歳のリオネルは、他の子供たちとは違っていた。ほとんどの男の子が無限のエネルギーで走り、遊ぶ中、彼は足を引きずりながら動き、その小さな体躯は成長ホルモンの欠乏症と闘っていた。しかし、少年の内には何かが燃えていた。どんな病状でも消すことのできない激しい情熱が。フットボールが彼の足元に転がったとき、不思議なことが起こった。痛みも、制限も、すべてが消えたように見えた。彼の足は、肉体的な困難をものともしない本能的な優美さで動き、言葉よりも雄弁な動きの言語を生み出した。父親のホルヘは、鉄鋼工場で長時間働き、家族を養うのに十分な収入を得ていた。しかし、彼は息子の目に特別なものを見た。それは、自分自身の果たせなかったスポーツの夢を思い出させる決意だった。毎晩、彼はリオネルに寄り添い、足をマッサージしながら、アルゼンチンの偉大な選手について語り、幼い心に可能性の種を植え付けた。地元のサッカー場は、リオネルの聖域となった。埃っぽいピッチとその場しのぎのゴールの中で、彼は自分の体の限界など何の意味もない世界を見つけた。いとこや友人たちは、彼がボールをドリブルするのを驚きながら見ていた。その時でさえも、彼を際立たせる何かがあった。
第2章 スターダムへの道
ラ・マシアの蛍光灯が練習場に長い影を落とす中、12歳のリオネル・メッシはほとんど超自然的な優雅さで動いていた。小柄な体格とは裏腹に、その類まれな才能は、やがて世界中のサッカーファンの想像力をかきたてることになる。バルセロナのユースアカデミーでは多くの才能ある選手を見てきたが、メッシは違った。成長ホルモン欠乏症は、彼の夢を頓挫させかねない大きな課題だった。高額な治療には毎月900ドル近くかかり、彼の家族には到底払えない金額だった。バルセロナは、この若いアルゼンチン人に特別なものを見いだし、驚くべき決断を下した。13歳のメッシは、故郷のロサリオ、家族、友人など、慣れ親しんだものをすべて捨てた。期待と未知の重圧が、幼い彼の肩に重くのしかかった。しかし、メッシの決意は、まるで自分の体の延長のようなフットボールとの不思議な結びつきによって燃え上がった。バルセロナのコーチたちは、メッシが年齢を感じさせない直感的なドリブルをするのを驚嘆して見ていた。メッシの動きは他の選手とは違っていた。力強さではなく、流れるようなインテリジェンスで、ディフェンダーを彫像のように見せていた。彼の左足は魔法の杖であり、サッカー場を彼だけのキャンバスに変えた。